過重労働解消キャンペーン
前回の記事の続きです。
もう済んでしまった話ですが、「過労死等防止対策推進法(平成26年法律第100号)」が公布され、同法において11月は過労死等防止啓発月間とされており、過重労働解消キャンペーンが実施されました。
長時間労働の対策強化は喫緊の課題となっています。
過重労働解消キャンペーン
もう過ぎた話ですが、今年の11月に厚生労働省が過重労働解消キャンペーンを行い重点監督を行ないました。
(厚生労働省HP「過重労働解消キャンペーン」)
重点監督は、労働基準監督署やハローワークに寄せられた相談等をもとに、離職率が極端に高く若者の使い捨てが疑われる企業に対して実施されました。
また、長時間労働が原因とされる過労死等に係る労災請求が行われた事業場に対しても実施されました。
重点監督では、以下の点を確認し、違反があった場合、指導が行われました。
- 時間外・休日労働が36協定の範囲内であるかについて確認し、法違反が認められた場合は是正指導します。
- 賃金不払残業がないかについて確認し、法違反が認められた場合は是正指導します。
- 不適切な労働時間管理については、労働時間を適正に把握するよう指導します。
- 長時間労働者については、医師による面接指導等、健康確保措置が確実に講じられるよう指導します。
法違反が認められた場合には「是正指導」が入り、重大・悪質な違反が確認された場合には、書類送検され、事実を公表されることになります。
こうしたことが公になれば、企業イメージの低下は避けられません。
法違反を無くしていくためにもこういった取り組みは、良い傾向です。
長時間労働がなくなり過労死もなくなって、労働者が働きやすい世の中になるよう今後も頑張ってもらいたいですね。
誰かが声を上げないといけない
こういった取り組みが行われていても結局は、労働基準監督署やハローワークに寄せられた情報を元に動くわけですから、労働者からの情報が入ってこないと指導などを行なってもらえないということになります。
しかし、労働者が勇気を出して、労働基準監督署やハローワークに行ったとしても、行ったことに対して腹を立てる使用者がほとんどですから、なかなか難しい部分もあるかと思います。
会社が長時間労働を隠蔽し、我慢して泣き寝入りしている人もたくさんいます。
やはり、使用者も含めて、こういった取り組みを知り、何がいけないのか勉強していくしかないように思います。
抜き打ちで定期的に指導してくれたら良いんですけどねぇ。
労働時間を誤魔化すためにタイムカードをきちんと押させなかったり、労働時間を把握させないためにタイムカードすら存在しない会社もあります。
※残業(時間外労働)について詳しくなろう
また、勇気を出して、訴えた労働者を悪い人間だということにしてしまう風土の会社がまだまだたくさんあります。
交通事故や万引き、殺人事件などを現行犯で見た人間が警察に通報するのと同じようなことなのですから、通報した人を「よくやった」と褒め称えるくらいの社会になっていけば、世の中も変わっていくんじゃないでしょうか。
通報したが為に何も悪いことをした訳ではないのに悪者扱いされて、苦しんでいる人がたくさんいます。
どう考えても法律で決められている以上の長時間労働をさせ、奴隷のように働かせる会社側の方が悪いわけです。
それを告発されたからといって、訴えた人を追い出したり、イジメて辞めさせたりする会社は間違っています。
解雇をちらつかせて、無理矢理に言うことを聞かそうとするやり方も間違っています。
退職してしまえば、そういった煩わしいことから離れることが出来ますが、結局はその場から逃れただけであって、問題の解決とはなっていません。
辞めても新しい人が入社し、被害者が増えてしまうだけです。
そう考えると会社を辞めるにしても一歩踏み出す勇気が労働者側にも必要なのかもしれません。
使用者側も長時間労働に対する意識を改め、労働者が安心して働けることが当たり前の社会になることを願います。
過労死等防止対策推進協議会令
※本政令の施行期日についても、法律と同様に平成26年11月1日とする。
この法律では、厚生労働省に「過労死等防止対策推進協議会」を置くことが定められています。
厚生労働大臣は、過労死等の防止のための対策に関する大綱の案を作成する際、この協議会の意見を聴くこととされています。
<既に法律で規定されている事項>
委員の構成は、①過労死等の当事者
②労働者代表者
③使用者代表者
④過労死等に関する専門的知識を有する者
の四者とし、合計20人以内の非常勤の委員により組織することになっています。
<本政令で定める事項(主なもの)>
- 委員の任期は、2年とすること。
- 委員のうち、労働者側と使用者側の代表者は、それぞれ同数とすること。
- 協議会の会長は、過労死等に関する専門的知識を有する委員のうちから選挙すること。
- 必要に応じて、専門委員を置くことができること。
- 協議会を開催して議決するためには、委員の2/3以上又は委員を構成する四者の各1/3以上の出席を必要とすること。
- その他、協議会の運営に関し必要な事項は、会長が協議会に諮って定めること。
「過労死等防止対策推進協議会」をきちんと運営し、過労死の起きない安心して働ける社会を推進していってもらいたいと願います。
長時間労働で人生の貴重な時間を犠牲にし、最後には命まで犠牲にしてしまう過労死。
会社の犠牲になってしまう人生なんて、絶対に間違っています。
過労死は、絶対に無くしていかないといけません。
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今回は、ここまでにします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。