退職強要でソニー社員自殺「労災と認めて」遺族の請求棄却
今日は、退職強要で自殺した社員の労災のニュースです。
私は労災認定されましたが、なぜ労災認定されたかは教えてもらってません。
それに情報開示請求もしていないので私自身がなぜ認定されたかは全くわかっていません。
このニュースを読んで、労災認定される基準は何なのか疑問に思いました。
さっそく見てみましょう!
このニュースは「Yahoo!ニュース」で取り上げられていましたので見た人もいるのではないでしょうか。
退職強要でソニー社員自殺「労災と認めて」遺族の請求棄却…東京地裁
ソニーにエンジニアとして勤めていた男性社員(当時33歳)が自殺したのは、パワハラや退職強要などがあったからだとして、男性の遺族が国を相手取り、労災保険の不支給処分の取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は12月21日、原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。原告は控訴する方針。原告の代理人によると、男性は子どものころ脳腫瘍を患ったことから、二次性水頭症、左手のマヒ(身体障害者6級)、自閉症スペクトラムなどの障害をもっていた。大学院卒業後の2004年にソニー入社。とくに問題なく働いていたが、異動後の2010年6月ごろに精神障害(適応障害)を発症し、同年8月自宅で自殺した。
両親は労災申請をおこなったが、厚木労働基準監督署が認定しなかった。そこで、2013年に労災保険の不支給処分取り消しを求めて、東京地裁に提訴。上司からのパワハラや人事部から退職強要などを受けて適応障害を患って、それを悪化させてうつ病になったため、自殺したと主張していた。
東京地裁の佐々木宗啓裁判長は判決で、男性が2010年1~2月、上司から「女、子どもでもできる」「お前は子どもや高校生の姉ちゃんでもできる仕事しかしていない」などの発言を受けたことを認めたが、心理的負荷は「中」程度と判断した。
また、適応障害発症後の7月~8月にも、人事部から「1週間、将来について考えてもらう」「期間を決めてやる。それでダメだったら、ソニーの外でやる」「もう、サジを投げている」など一部に退職強要があったと認定したが、生死に関わるような極度に「特別な出来事」があったとまでいえないとして、原告側の主張を退けた。
この日の判決後、原告側の代理人をつとめる川人博弁護士は、東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。厚生労働省の労災認定基準で、精神障害発症後には「特別な出来事」が必要とされていることについて、「社会常識からみておかしい枠組みだ」と批判。「今回の判決は誠に残念だ。高裁に正しい判断をもとめたい」として、控訴する方針を示した。
掲載元 : 弁護士ドットコム 12/21(水) 16:56
どうですか?
私がこの記事を読んで思ったのは、自殺した男性社員は、ソニーに勤めてパワハラや退職強要を受けてなかったら自殺しなかったんじゃないかと…。
自殺したのは明らかにソニーが原因だと思うのですが…。
職場での出来事が原因で傷病した場合は労災になるのではないのでしょうか?
どういうこと…?
自殺した男性社員は、身体障害者6級であるのに大学院を卒業し、ソニーに入社したんですから、すごい頑張ったんだと思います。
ここまで来るのに大変なご苦労があったと思います。
強い意志、強い精神力がないと出来ないことです。
男性社員がソニーに入社したときは、ご両親も喜んだことでしょう。
それなのに自殺してしまうなんて…。
腹が立ちます
この記事を読んで、疑問に思うこと、腹の立つことがいくつもあります。
自殺した男性社員は、問題なく働いていたのになぜ異動させたのでしょうか?
身体障害者でやれることも限られていたのではないでしょうか?
異動させられて不慣れな仕事をしていたでしょうから、少しくらい出来なくても仕方ないと思うのですが…。
そんな状況で上司から言われた言葉にビックリです。
「女、子どもでもできる」
「お前は子どもや高校生の姉ちゃんでもできる仕事しかしていない」
身体障害のある人にこんなことを言うなんて信じられません。
それに仕事の指示は会社(上司)がする訳です。
男性社員を異動させて「女、子どもでもできる仕事」しかさせていないのは会社側だろ!
それなのに男性社員を責めるのがおかしい!
読んでいて腹が立ちます。
その後、適応障害を発症したら、人事部から以下のように言われる訳です。
「1週間、将来について考えてもらう」
「期間を決めてやる。それでダメだったら、ソニーの外でやる」
「もう、サジを投げている」
もう滅茶苦茶です。
最初から退職有りきの異動だったのか?
私は、こんな感じで捉えました。
問題なく仕事をしていた元の部署に戻してあげれば良いではないか!
社員の能力を見極めて、能力にあった仕事をさせるのは、会社側が考えることじゃないのか!
男性社員が能力を発揮できないのは会社の采配が悪いんだろ!
元の部署に戻れないとしても違う部署で能力が発揮できる部署に異動させてあげれば良いだろ!
なぜ、ソニーは男性社員をフォローすることなく辞めさせる方向に持っていこうとするんだ!
一流企業ともいえるソニーが「適応障害を発症した社員のフォローをすることなく辞めさせようとする企業体質」で良いのか?
考えれば考えるほど、腹が立ちます。
こんな企業体質だと社員は安心して働けないですよね。
ソニーは最初から男性社員を辞めさせるために異動させたんじゃないか!と疑ってしまいます。
頑張って欲しいと思います
ご両親は、厚木労働基準監督署に労災申請して認定されず、裁判までしても認められないなんて辛い状況だと思います。
控訴するとのことだから、高裁ではどうなるのか気になるところです。
このままじゃ自殺した男性社員も浮かばれません。
労基署で不支給になり、裁判して数年かけて認められたケースは過去にもいくつかあるようです。
ですから、頑張って欲しいと思います。
ただ、裁判するとなると精神的にも金銭的にも負担になるでしょうからご両親も大変でしょう。
私は労災申請して認められたので裁判まではしてませんが、結果が出るまで精神的にキツかったですから…。
労災として認定される基準は?
こういった判決があるから、余計に労災申請するのが難しくなっているように思います。
厚生労働省は、平成23年12月に認定基準を新たに定め「精神障害の労災認定」ということで発表しています。
そこには、自殺について以下のように記載されています。
自殺の取り扱いについて
業務による心理的負荷によって精神障害を発病した人が自殺を図った場合は、精神障害によって、正常な認識や行為選択能力、自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態に陥ったもの(故意の欠如)と推定され、原則としてその死亡は労災認定されます。
それなのにこういった判決が出るんだから、認定基準がいまいち良くわかりません。
どうにかならないもんかと思います。
今日はここまでにします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。