退職勧奨は、自己都合? 会社都合?
退職勧奨というのは、自己都合になるのか、会社都合になるのか?
どっちだと思いますか?
自己都合と会社都合だと、失業保険(雇用保険の基本手当)を受給できる条件が変わってきます。
退職勧奨というのは、会社側が労働者に退職を持ち掛けることです。
労働者は、退職勧奨に応じる義務はありませんが、退職の条件面などで話がまとまり、労働者が応じれば、退職することになります。
その場合は、「労働契約の合意解約」ということになります。
合意解約は、 一方的な解雇とは違いますので、解雇予告手当等はもらえません。
退職勧奨は、特定受給資格者となります
退職勧奨の場合、会社都合、自己都合のどちらになるのでしょうか?
この離職理由というのは、辞めたときに会社からもらう離職票に記載されます。
自己都合と会社都合では、失業保険(雇用保険の基本手当)の支給開始日などの条件が違ってきます。
退職勧奨の場合は、特定受給資格者となり、会社都合と同じ扱いになります。
特定受給資格者になれば、3ヵ月の給付制限もないですから、すぐに失業給付を受給することが出来ますし、条件によっては給付日数も多くなります。
自己都合の場合は、3ヵ月の給付制限がありますので、3ヵ月間は失業給付を受給できません。
こういった理由がありますので、労働者としては、「特定受給資格者」となった方が良いのです。
会社としては、自己都合にしたい
次に会社側の視点から考えてみましょう。
会社は、従業員を解雇すると助成金に関してのペナルティーが発生します。
助成金は、従業員の雇入れの際に決まった条件がそろっていて、申請すれば、厚生労働省からもらうことが出来ます。
助成金は、条件によって違いますが、数万円~数百万円になります。
詳しくはこちら→「事業主の方のための雇用関係助成金」(厚生労働省HP)
しかし、退職勧奨で退職者を出すともらえなくなる助成金があります。
会社が助成金をもらい続けるためには、「自己都合」の方が良いのです。
また、ほとんどの会社では、「退職金規定」が自己都合だと金額が低くなるように設定されています。
会社としては、退職金の支払いを少しでも減らすためにも自己都合の方が良いのです。
こういった事情もあるため、会社としては、「自己都合」の方が良いのです。
退職勧奨に合意しても退職届は書いてはいけない
会社側から、「合意したのであれば、退職届を書いて欲しい」と頼まれて、退職届を書いてしまうというケースがあります。
退職届を書いてしまうと、そのまま離職票には、「自己都合」と書かれてしまう可能性があります。
そのままハローワークに失業給付の手続きに行くと「自己都合」として処理され、特定受給資格者となりませんので、注意が必要です。
このようなことがあるので、退職届は書いてはいけません。
この様に詳しいことを知らない労働者を騙して、自己都合にするセコい会社が数多く存在します。
全ては、「助成金が欲しい」、「退職金を払いたくない」という気持ちがあるから、労働者を騙すのです。
騙されて自己都合にされた場合
退職勧奨をされて退職したのに「自己都合」にされていた場合、どうすれば良いのでしょうか?
会社に言って変更してもらうのが基本です。
会社側が無知で「退職勧奨をされて、従業員が辞めると決めた訳だから、自己都合だろう。」とあまり詳しくなく深く考えずに自己都合にしていた場合は、そんなに苦労せずに変更してもらうことが出来るかもしれません。
しかし、事情を知っていて助成金をもらい続けるために「自己都合」と書いてくる様なブラック企業の場合は、会社に言うのもしんどいですよね。
そういった場合は、ハローワークで対処してくれます。
離職票の退職理由などが書かれているところの下の方に
「 事業主が◯を付けた離職理由に異議 有り ・ 無し 」
と書いてある欄がありますので、そこに「有り」に◯をして提出します。
退職勧奨をされたことを証明することが出来る証拠があれば、一緒に持って行きましょう。
あなたの説明を聞いてから、ハローワークが会社に問い合わせたりして動いてくれます。
ハローワークがあなたの言い分と会社の言い分を聞いて、審査をします。
最終的に審査をして決定を出すのは、ハローワーク(公共職業安定所長)です。
会社が嘘を付いてきても証明することが出来るように証拠を残しておきましょう。
しかし、退職届を出していた場合は、会社も「従業員が自主的に退職届を出した」と主張しかねません。
そうなると撤回するのも大変になりますので、くれぐれも退職届は出さないように気を付けて下さい。
そんなズルい会社にいつまでもしがみついていても仕方ないので、さっさと辞めた方が良いかと思います。
しかし、最後に、気持よく退職するためにも知識を増やして、間違ったことをされそうになった場合は、指摘できるようにしておきましょう!
あなたに退職勧奨をしてくるような安心して働けない会社なのですから、自分の身は、自分で守らないとやられてしまいます。
今回は、ここまでにします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
【次回】
今回、「自己都合」と「会社都合」のことを書きました。
次回は、「特定受給資格者」となった場合、「自己都合」とどれくらいの差があるのかを紹介します。
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