個別延長給付について
失業保険のことについて、あまり知られていない制度がありますのでご紹介します。
失業保険は、支給される日数が決まっています。
しかし、ある条件を満たしていれば、「個別延長給付」となり、給付日数が延長されます。
個別延長給付とは
個別延長給付とは、退職勧奨、解雇、倒産などの会社都合で離職した方が所定給付日数を過ぎても就職が決まらない場合、ある一定の条件を満たせば、60日間給付が延長になることをいいます。
特定受給資格者、特定理由離職者に該当する方で、きちんと積極的に就職活動をしていると判断された上で、再就職が困難だとハローワークが認めた方に対して延長されます。
あなたが特定受給資格者と特定理由資格者に該当するかどうかは、こちら!
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この制度は、平成21年3月31日から平成26年3月31日までの間の暫定措置でした。
しかし、国会に法案が提出され、29年3月31日まで延長することが決まりました。
◆個別延長給付の対象となるには
倒産・解雇などの理由により離職された方(特定受給資格者)や期間の定めのある労働契約が更新されなかったことにより離職された方(特定理由離職者)で、以下の 1.~3. のいずれかに該当する方
- 受給資格に係る離職の日において45歳未満の方
- 雇用機会が不足する地域として指定された地域に居住する方
- 安定所長が再就職支援を計画的に行う必要があると認める方
上記の条件を満たしていて、積極的に求職活動をしているのに所定給付期間内に再就職が困難だと認められなければいけません。
積極的に求職活動をしていると判断されるには、以下の表に記されている求人の応募回数によって判断されます。
この応募回数は、書類選考で落とされた場合も含まれます。
上記の 1. ~ 3. の条件に当てはまり、積極的に就職活動をしていると判断され、再就職が困難だとハローワーク(公共職業安定所長)に認められたら原則60日が失業保険の給付が延長されます。
◆対象とならない方
- 上記の求人応募回数に満たない方
- 現実的でない求人条件に固執する方など、労働市場を考えない方
- 失業認定日に来所しなかったことで不認定処分を受けた方(やむを得ない理由がない)
- 求人活動実績がなく、失業認定日に不認定処分を受けた方
- ハローワークの紹介や職業訓練、職業指導を拒んだ場合
ハローワークは、求職している人に仕事を紹介して就職してもらうことを目的としているところです。
ですから、ハローワークに来る人は「就職することを目指して一生懸命になっている人」というのが基本的な考え方です。
しかし、形だけ求職しているように見せているが、「真剣に仕事を探していない」、「給付金を目当てに来ている」と判断されるようだと個別延長給付の対象になりません。
◆延長される日数
原則60日延長されます。
ただし、雇用保険の被保険者であった期間が通算して20年以上かつ所定給付日数が270日以上330日である方は、30日分が延長になります。
なお、延長された日数は、就業手当、再就職手当、常用就職支援金の支給要件である残日数として扱われません。
◆個別延長給付の決定
個別延長給付の対象となる方については、所定給付日数の受給を終える失業認定日に個別に案内されます。
その際、求職活動の状況、内定見込みの有無についての申告が必要です。
なお、個別延長給付の決定における認定日時点で就職が決まっていたり、引き続き再就職の支援が必要でないと判断された場合は個別延長給付の対象となりません。判断は、ハローワーク(公共職業安定所長)が行ないます。
最後に
いかがでしたか?
こういった制度があることもあまり知られていませんが、きちんと活用していけば、退職後の生活が助かります。
60日給付日数が増えた場合、給付日額が5000円の場合、30万円もらえる金額が変わってきます。
一番良いのは、次の就職先が見つかることだとは思います。
しかし、不景気な世の中ですし、簡単に見つからないことも多々あります。
少しでも制度を知っておいて、今後に活かしていきましょう!
今回はここまでにします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
【次回】
特定受給資格者になると個別延長給付を受けれたり、様々な優遇措置があります。
自己都合で辞めた場合は、「特定受給資格者」にならないのですが、自己都合で辞めた場合でも条件が揃えば会社都合に変えることが出来ます。
次回は、そのことについて書きます。
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