ボーナスは支給日に在籍していないともらえない!?
退職を考えている方の中には、「次のボーナスをもらってから辞めよう」と考えている方は多いと思います。
しかし、賞与(ボーナス)の支給日が遅れてしまい退職日より後になり、「ボーナスがもらえなかった」ということもあるようです。
賞与(ボーナス)は支給日に在籍していないともらえないのか・・・?という疑問を持つ方がいるかと思います。
今日は、そのことについて考えてみたいと思います。
就業規則を確かめよう!
賞与(ボーナス)が支給日に在籍していないと支給されるか支給されないかは、就業規則によります。
会社の就業規則に「賞与は、賞与支給日に在籍している者に支給する」と記載されていれば、支給日に在籍していないともらえないことになってしまいます。
ですから、「ボーナスをもらってから辞めよう!」と考えている方は、まず就業規則を確認するようにしましょう。
支給日には在籍していなかったけど、支給日の前まで在籍していたから、少しはもらえるのではないかと思う方もいますが、就業規則に「賞与支給日に在籍する者に支給する」と記載されていれば、まずもらえないと考えて良いでしょう。
こんなことがありました
私が勤務していた会社であった話なのですが、社長が「退職した社員にボーナスを支払うつもりはない」といって、わざと賞与の支給日を遅らせるという方法をとっていました。
「支給日が変更になりました。支給日は◯月◯日になります。」などと掲示板に記載して支給日を遅らせ、結局、退職した元社員には賞与を支払いませんでした。
こういった行為がまさしくブラック企業の嫌がらせという感じです。
本来、もらえるはずだったボーナスがもらえない訳ですから、退職した社員からしたら理不尽極まりない行為ですよね。
しかし、その社員は何を言っても無駄だと思ったのか、社長に対して恐怖に思っていたからなのか、何も言わずに辞めていきました。
泣き寝入りした人が悪いという訳ではありませんが、誰も何も言わなかったから、社長もそういうことを続けてしまうのでしょう。
少し話がそれますが、元勤務先で私が賞与の支給に関わるようになってからは、社長に「そういった行為は、訴えられたら大変な事になりますし、許される行為ではありませんよ。」と言って、そういう行為をストップしていました。
しかし、社長からしたら、私のこういう注意も気に入らなかったんでしょうね。
後から、退職勧奨されましたから…。
こんな理不尽な行為が許されるのでしょうか?
こんな誰から見ても悪意としか思えない「賞与支給日をわざと遅らせて賞与を支給しないという行為」が許されるのでしょうか?
過去の判例に以下のようなものがあります。
賞与支給日に労働者が既に退職していたとしてもその賞与支給日は使用者が故意に支給を遅らせた日であって、本来の賞与支給予定日に労働者は在籍しており賞与請求権を取得していた訳だから、賞与を支給するべき。
として、会社に賞与の支払いを命じました。
ですから、使用者の都合で遅らせたのであれば、労働者は賞与(ボーナス)をもらえる権利があるということです。
つまり、支給予定日より支給が遅れた場合、支給予定日に在籍していたのであれば、支給されなければおかしい訳です。
当たり前ですよね!
ブラック企業のこんな理不尽な行為が通るのであれば、もう裁判所も信じられなくなってしまいますよね。
賞与の支給は会社が決めれる!?
賞与(ボーナス)は、もともと支給することが法律上定められているものではありません。
ですから、会社側で自由に支給方法を定めることができます。
このことを勘違いして解釈した経営者がいるのでこういった争いが起きてしまいます。
賞与支給日に在籍しない者に支給したくない会社では、就業規則に「賞与は賞与支給日に在籍している者に支給する」などと記載されているでしょう。
こんな場合は…!?
例えば、賞与の査定期間が6月1日~11月30日だったとしましょう。
12月1日に退職し、「賞与の査定期間(6月1日~11月30日)は在籍していた」と主張した場合はどうなるのでしょうか?
賞与の査定期間に在籍していたとしても就業規則に「賞与は賞与支給日に在籍している者に支給する」と記載されていれば、残念ながら支給される権利は得れません。
つまり、賞与(ボーナス)はもらえません。
優しい経営者で頑張りを認めて支給してくれる会社もあるかもしれませんが、それは経営者次第です。
ブラック経営者だったら、支払う必要が無いのであれば、まず支払わないでしょう。
理不尽な感じもしますが、必ず支給することが法律上定められているものではないので、仕方ありません。
退職日数の数日の差でトラブルに発展してしまうのですから、難しい問題です。
ボーナスをもらってから辞めようと思っている方は、こういった事情をよく考えてから辞めるようにしましょう。
あとから、トラブルになったら面白くないですからね。
辞める場合は、良く考えてから辞めましょう!
私が勤務していた会社はブラック企業でしたから、賞与を支給するのが嫌だからといって、平気で支給日を遅らせるという悪意のある行為を行なっていましたが、本来であれば許される行為ではないのです。
しかし、ブラック企業では、良くあることなのかもしれません。
実際にあなたが嫌な思いをしないためにも覚えておいて下さいね。
退職する場合は、感情的になって勢いで辞めるのではなく、出来ることをよく考えてから辞めるようにしましょう。
辞めるときは、なるべく良い辞め方をしたいですからね。
後で揉めたとしてもしんどいですからね。
賞与(ボーナス)がもらえるかどうか心配なのであれば、確実に支給されてから辞めるようにしましょう!
今回は、ここまでにします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。