懲戒解雇
懲戒解雇(ちょうかいかいこ)
事業主が労働者の責めに帰すべき理由で解雇すること。
重責解雇とも言われ、通常は再就職の大きな障害になることから労働者にとって正に極刑である。
懲戒解雇の法律上の定義はなく、習慣的な名称である。
公務員の場合は懲戒解雇ではなく、『懲戒免職(ちょうかいめんしょく)』と呼ばれる。
懲戒解雇の理由
- 長期の無断欠勤
- 会社の金品の横領
- 職務・会計上での不正
- 飲酒運転等の重大事故や交通違反
- 故意または過失で業務を妨害し、損害を発生させた場合
- 犯罪その他の法令に抵触する行為で逮捕や起訴をされた場合
上記のような理由が多い。
ただし、冤罪などで無罪が確定した場合は取り消され、復職を認められる可能性もある。
会社側が内部告発を行った者への制裁として懲戒解雇を行うことがあり、会社都合退職を求める労働者側との争いになることがある。
懲戒解雇は罪刑法定主義に類似した諸原則の適用を受け、使用者が懲戒を適正に行なうためには、就業規則に「その理由となる事由」と、これに対する「懲戒の種類・程度」が明記されて、さらに「当該就業規則が周知されている」必要がある。
懲戒解雇の場合、原則として退職金や、労働基準法で定められる30日前の解雇予告や解雇予告手当の支給はされず、即日(即時)解雇となる。
即日(即時)解雇については、労働基準監督署長の認定が必要とされる。
また、今後の再就職も通常の解雇と比べて非常に困難となる。
そのため、通常はあまり行われない。
ただし、使用者がリストラをスムーズに行うためや退職金の支払いを回避するため、退職強要の一手段として、労働者のミスや職務態度を理由に懲戒解雇をほのめかすことはしばしば行われる。