パワハラ現場で録音、録画をすることについて
私は、当ブログにて、パワハラがあったことを証明するために録音や録画などが役に立つということを以前からお伝えしていますが、裁判などになった場合、どうなのでしょうか?
そのことを記載した記事がありましたので、取り上げてみました。
週刊ポスト2014年10月3日号の記事ですが、まず読んでみて下さい。
パワハラの立証に隠し録り 弁護士は「臨場感があり効果的」
大手エステティックサロン「たかの友梨ビューティークリニック」の女性従業員が、職場の待遇改善を訴えたところ、「労働基準法にぴったりそぐったら絶対成り立たない」「あなた会社つぶしてもいいの?」などと言われ、その音声データを暴露して波紋を呼んでいる。
パワハラの立証として隠し録りされた音声記録に証拠価値はあるのだろうか? 弁護士の竹下正己氏が、こうした相談に対し回答する。【相談】
職場で上司による言葉のパワハラに遭っています。労働局に訴える準備として、私に対する上司の暴言をこっそりボイスレコーダーで録っておくのは問題ないですか。
また、相手の了承を得ずにレコーダーを使用しても裁判では有効ではないと聞いたことがあるのですが、それも本当でしょうか。【回答】
隠し録りは、紳士的でない場合もありますが、この場合はやむを得ないことでしょう。ご指摘のパワハラは、いくら文章で書いても実感してもらうのは至難です。その点、録音は臨場感があり、事実そのものですから効果的です。次に、隠し録りの録音データが裁判で使えないかというと、そんなことはありません。録音データなどは、裁判では準文書として、文書に準じる扱いを受けます。録音データを証拠として裁判所に提出する意味は、録音されている会話などの内容や状況を裁判所に認識してもらうことにあります。そのため、その証拠調べは法廷で再生して聞いてもらいますが、他に録音起こしを作って文書として提出したりもします。
この隠し録りの録音データが証拠として認められるかの問題は、証拠能力の議論です。厳格かつ詳細な証拠収集のルールが定められている刑事裁判と違い、民事裁判を律する民事訴訟法には、そもそも証拠能力について規定する条文はありません。すなわち制限が定められていないということになります。
そこで原則として、裁判所は当事者が提出する証拠は、事件と無関係なものは別として、基本的にすべてを受け入れて証拠調べを行ない、あとは信用できるかどうか、要は証明力の問題としてとらえています。証拠価値の有無は判断されますが、証拠として、おおよそ調べてもらえないということはないのです。
隠し録りした録音データも、先に述べた方法で証拠として調べてもらえます。ただし、いちじるしく反社会的な手段を使って無理やり話させるなど、録音自体が精神的・肉体的自由を拘束し、人権を侵害する方法でなされた場合には、証拠も違法と評価されて証拠調べの対象になりません。そのようなことがなければ大丈夫です。
【弁護士プロフィール】
◆竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2014年10月3日号
この様に録音データというのは、いざという場面で非常に役に立ちます。
実際に私も証拠を抑えるために常にICレコーダーをポケットに忍ばせています。
パワハラをする上司や社長というのは、いざとなったら認めないですからね。
あなたもパワハラで苦しんでいて、その状況をどうにかしたいと思っているなら、録音、録画をしておくことをお勧めします。
わかりあえる可能性は低い!?
日本人は、お人好しが多いといわらますが、パワハラを受けている人もお人好しが多いようです。
パワハラを受けているのに「いつかパワハラ上司も理解してくれる」、「会社もわかってくれるはず」、「いつかわかりあえる」など、いつか理解してもらえるという思いを持っている方も多いかと思います。
理解してもらえる可能性は低いかもしれませんが、理解してもらうには、あなた自身が動いていかないといけません。
誰かが動いてくれて解決に向かうこともあるかもしれませんが、その可能性は低いです。
自分の身は、自分でしか守れません。
録音、録画をして、パワハラされたことを記録に残しておくことによって、自分の身を守ることが出来ます。
第三者の誰がどう見ても「あなたの言っていることの方が真実だ」と思ってもらわないといけません。
強い気持ちを持って録音、録画をしましょう
会社とあなたでは、あなたが圧倒的に不利です。
社内でも味方をしてくれる人は少ないかもしれません。
しかし、誰が見ても「会社が悪い」という状況を作ることが出来れば、あなたの言っていることを理解してくれる人が増えていくでしょう。
会社に改善を求めることも出来るしでしょうし、上司を懲戒処分にすることも出来るかもしれません。
しかし、会社側や上司からしたら、歓迎することのない出来事ですので、あなたに対する風当たりも強くなるでしょう。
どっちにしろ、「あなたが悪くない」ということをわかってもらうには、会社や上司とわかりあえる可能性は低いのです。
覚悟を持って取り組んでいかないと泣き寝入りすることになってしまいます。
今、パワハラなどを受けて孤独を感じている方も多いかもしれません。
しかし、あなたのことを理解してくれる方は、たくさんいます。
そのためにも証拠を残して、あなたが「悪くない」という証明を出来るようにしていきましょう。
あなたは、悪くないのです。
会社という小さな世界の中で悪者にされているだけなのです。
あなたが「正しい」ということを証明していくためにも録音は必ずするようにしましょう。
今回は、ここまでにします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
【次回】
録音することの大切さを理解してもらえたでしょうか?
次回では、録音するために役立つアイテムをご紹介します。
会社と戦う場合、録音データが役に立ちます。
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