半年で休み4日「過労死」 残業が国の上限未満でも認定
ゴールデンウィークが終わりましたね。
休み明けの仕事ってしんどいですよね。
5月病という言葉があるようにゴールデンウィーク明けに調子を崩す人が多いようです。
気を付けてくださいね。
今日は労災のニュースを紹介します。
仕事が忙しいからということで休日出勤することはどこの会社でもあることなのかもしれません。
しかし、半年で休みが4日というのはハードですよね。
休日に出勤する人が少ないからといって、休日でも出勤してくれる人を重宝する会社は多いのかもしれませんが、あまりに同じ人に頼りすぎるのもどうかと思います。
半年で休み4日「過労死」 残業が国の上限未満でも認定
2015年に亡くなった女性会社員(当時50)について、山口労働基準監督署が労災(過労死)と認定したことがわかった。女性の残業時間の平均は国の過労死認定ライン未満だったが、死亡前の半年で4日しか休めなかったことなどを考慮した異例の認定となった。政府は残業時間の上限規制を進めているが、専門家は「休日労働規制に踏み込まない対策は不十分だ」と指摘している。山口県内の弁当販売会社で配送を担っていた斎藤友己(ともみ)さん=同県防府市=は15年11月、自宅で急死し、死因は心臓疾患の疑いとされた。遺族側代理人の松丸正弁護士(大阪弁護士会)によると、斎藤さんは07年から同社に勤務。タイムカードをもとに計算した死亡直前1カ月の時間外労働(残業)時間は70時間11分で、直前2~6カ月のそれぞれの平均は月あたり約71~77時間だった。
国の過労死認定基準(時間外労働が発症前1カ月で100時間か、2~6カ月の平均で月80時間)には達しないものの、遺族側は、発症前6カ月の間に4日しか休めていなかったと主張。特に15年8月14日~11月12日は連続91日間も勤務したとして労災を申請した。山口労基署は今年2月17日、遺族側の主張を認める形で、斎藤さんの死を「過労死」と認定した。
労働基準法36条では、会社が従業員に時間外労働をさせる場合や法定休日(毎週1日)にも働かせる場合、事前に労働組合か労働者代表との間で協定(36協定)を結ぶ必要がある。そこでは残業時間や休日労働は実質的に上限なく設定でき、斎藤さんの会社での36協定にも法定休日労働の日数に限度はなかった。
厚生労働省の13年度調査によると、企業などの約半数が36協定を締結。うち2割強で、1カ月(4週間)のうち法定休日の4日間とも働くことを可能にする内容だった。
松丸弁護士は斎藤さんのケースについて「休めないことによる疲労の蓄積が大きかったとみるべきだ」と指摘。「36協定さえあれば事実上、延々と働かせられるのが現行制度。斎藤さんの死の教訓を社会で共有すべきだ」と訴える。(阪本輝昭)
■専門家「休日労働の規制を」
電通の新入社員・高橋まつりさん(当時24)の過労自殺を機に、「働き方」をめぐる論議が高まった。政府は関連法令の改正・整備に向け3月28日、残業時間の罰則付き上限規制などを新たに盛り込んだ「働き方改革実行計画」を決めた。残業時間について、36協定の締結を前提に、繁忙期も含めた年間の上限を「720時間(月平均60時間)」と設定。繁忙期は「1カ月100時間未満」「2~6カ月平均でいずれも月80時間以内」を上限とし、過労死ラインをぎりぎり超えない水準にとどめた。
ただ、年間上限「720時間」に休日労働は含まれず、斎藤さんのような法定休日をつぶす形の連続勤務に上限は設けられていない。休日労働抑制については事業者の努力義務とする方向で検討が進んでいる。
森岡孝二・関西大名誉教授(企業社会論)は「休日労働の規制に手をつけない『改革』では過労死を防げないことが証明された。国は議論の出発点に戻り、実効性ある対策を検討すべきだ」と話している。
どうでしょうか?
他の記事によれば、この斎藤友己(ともみ)さんはシングルマザーの長女さんとその息子さんとの3人で暮らしていたようです。
長女さんは「いくら何でもハードすぎない?」と心配していたが、斎藤さんは「我慢する。
この年だとほかに雇ってくれるところもそうないし…」と答え無理して働いていたようです。
長女さんは 「無理にでも辞めさせればよかった」と語っていましたが、本当に辛いことですよね。
この山口県内の弁当販売会社も働かせすぎです。
半年も休みなしで働かせるなんて狂っています。
安全配慮義務なんてありません。
国の過労死認定基準(時間外労働が発症前1カ月で100時間か、2~6カ月の平均で月80時間)に達しないが異例の認定って、どうなんだろう…。
どう考えても仕事が原因で亡くなったとしか思えません。
異例ということは、仕事が原因で過労死しても国の過労死認定基準に達していない場合は労災認定されない場合がほとんどということですよね。
理不尽に思うところもありますが、国が労災と認めるというのは難しいのですね。
過労死とは別の話になりますが、当ブログでは、精神障害で労災申請されている方からコメントやメッセージを頂くことがあります。
労災申請した本人は、職場での出来事(パワハラ、モラハラなど)が原因で精神障害を発症したと考えていて、心療内科や精神科の医師にも「職場での出来事が原因」と言われているのに労災認定されない方も多いです。
厚生労働省では、「心理的負荷による精神障害の認定基準」を示していますが、労災認定されるというのはなかなか難しいようですね。
パワハラ、モラハラなどの場合、ほとんどの会社はパワハラ、モラハラがあった事実を否定します。
ですから、労基署にパワハラやモラハラがあった事実を認めさせることが難しくなります…。
いかに記録して証拠を残しておけるかが大きな分かれ道になるような気がします。
この記事にも書いてありますが、「36協定さえ結べば従業員を上限なく働かすことが出来る」という制度自体が問題ですよね。
こんな半年間も休みなく働かせるような会社は罰して欲しいと思いますが、36協定を締結していて法を犯していないのですから、罰せられないのでしょう。
今後は、こういった無理な働き方を規制する方向で国には考えてもらいたいですね。
全ての人が安心して働ける社会になることを願います。
今日は、ここまでにします。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。