「信じる」ということの難しさ
今日は、私が退職勧奨されてから起きたことを書きたいと思います。
私は退職勧奨されてから、様々な思いがありましたが、これから書くことも忘れられない思い出の一つです。
私には、10代の頃からずっと親しくして頂いた先輩がいました。
その先輩とは、過去に一緒に働いていた時期もありました。
その後、職場が違っていても良い関係でお付き合いをさせてもらっていました。
私が退職勧奨されて困っていたときに、その先輩は「何があってもお前のことを信じている」と言って励ましてくれました。
その言葉によって、私は救われた気持ちになりました。
信じるってなんだろう?
ところで…、
「信じる」という言葉は何なんでしょうか?
最近、思うことがあります。
何も不安なことが無ければ、「信じてる」なんて言葉は出ないのではないか?
男と女の関係でも何か問題があって、不安に感じている時に「信じてるから…」などの言葉が出るような気がします。
だから、不安なときに出る言葉なのかもしれない…。
そんなことを思ったりします。
最近、私が思うのは、「信じる」という言葉の難しさ。
どんなことがあっても相手を信じるということは、簡単ではありません。
強い信念があれば良いですが、なかなかそこまで強い信念がある人はいません。
人はどこまで相手を信じることが出来るのでしょう?
過去にその先輩から聞いた話
以下の話は、その先輩が過去に聞かせてくれた話です。
その当時、良いことを聞かせてもらったと感動しました。
例えばの話ですが…、
友達のAさんが犯罪を犯したらしい。
そのAさんの話を全く知らない第三者から聞いたとします。
その第三者の話だけでAさんのことを判断して付き合うのをやめる人がいます。
しかし、それでもAさんを信じる人もいます。
どちらの人が多いからわかりません。
付き合いをやめる人もいるだろうし、「直接、本人から聞かないと判断出来ない」とAさんのことを信じる人もいるでしょう。
次に、親しい別の友達からその話を聞いた。
親しい別の友達から聞いた話でAさんのことを判断して付き合うのをやめる人がいます。
しかし、それでもAさんを信じる人もいます。
この場合は、親しい別の友達の言葉だからということで、Aさんとの付き合うのをやめる人の方が多いかもしれませんね。
どちらの場合も良くある話だと思います。
最後に…、
その本人であるAさんから「犯罪を犯してしまった」と聞いたときは、どうでしょう?
あなたは、そのAさんを信じることは出来ますか?
結果的に犯罪を犯してしまったけど、何かの事情があったからだろう…と思いやり、そのことも含めてAさんのことを受け入れ信じて、付き合っていけるという人がどれだけいるのでしょうか?
例え、刑務所に入ることになったとしても出所してくることを信じて、Aさんを信じて待ち続ける人がいるのでしょうか?
もうここまで来ると親くらいしかいないのかもしれません。
その先輩は、
そこまで「信じる」ことが出来るのが、本当の「信じる」という気持ちであって、それこそが真の仲間だ!
と言っていました。
難しく考えすぎなのかもしれませんが、それくらい「信じる」という言葉は難しい言葉だということをその先輩は語ってくれました。
私は、すごいことを言う人だと思いながら聞いていました。
「信じる」という言葉は、容易に出てくる言葉ではありますが、その深さは、人それぞれです。
しかし、真の意味での信じるということは、その先輩の言うとおりなのかもしれません。
私が退職勧奨された当時、その先輩は「何があっても信じているから…」と言ってくれました。
過去にこの話を聞かされていたのもあり、気持ち的にすごく助けられました。
それなのに…
その後、私は会社から調停を申し込まれ、裁判所で話し合うことになりました。
当時、私は会社内で「金太郎が会社の金を横領した。」などと言われ悪者扱いされて、心が余計に病み始めた頃で精神的に不安定な時期でした。
そのときにその先輩から「もう罪を認めて退職すれば?」と言われました。
その先輩は、人伝てに「金太郎が会社の金を横領した。」という話を聞いていたとのことでした。
だから、先輩は「もう罪を認めて退職すれば?」と言ってきたんだと思いました。
それでも私は「何も悪いことをしてないんだから、最後まで戦おう!」と決心していたので、そのことを先輩に伝えました。
しかし、その先輩からは、「それでもお前が悪い」などと色々と批難され、非常にショックを受けました。
「信じる」ということの言葉の重さを語っていた先輩から、「信じる」という言葉の難しさを教わりました。
その後、その先輩からの連絡は途絶えました。
それまで月に数回は会って話をしていたのにバッタリと連絡が来なくなりました。
なんだかなぁ…
その後、調停が済みました。
調停の結果、私は会社から解決金を手にすることになりました。
そのことを誰かから聞いたのか、先日、先輩から連絡がありました。
なぜ、先輩が知っているのか気になったのですが、社長が色々と社内で言っているみたいで、その噂が流れていたみたいです。
先輩は、
「解決金を手にしたって聞いたよ。いくらだった?」
「俺は、お前のこと、ずっと信じていたよ。」
と言ってくれました。
そのときに私は、先輩に対して、素直に感謝の言葉を言えませんでした…。
先輩に対する感謝する気持ちも出てこなかったのです。
逆に、「なんだかなぁ…」と思いました。
人を信じるということは、難しいことです…。
私は、もうその先輩を信じることが出来ませんでした。
信じるって何なんだろう…。
どんなことがあっても信じ続けないといけないのかもしれませんが、なかなか出来ないもんです…。
これも退職勧奨されなかったら、味わうことが出来なかった思い出です。
人生は、色んなことがありますね…。
今回は、ここまでにします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。